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当医院における小児期に行う矯正治療の特徴

お子様の歯の矯正治療は、「第1期治療」と「第2期治療」に分けて行われることが多いです。

第1期治療の対象は、乳歯のみ、あるいは乳歯と永久歯が混じった「混合歯列」の状態にあるお子様です。

骨格が成長途上にある時期のお子様は、あごの成長を促進したり、逆に抑制したりして、形やバランスを整えることができます。当医院ではさらに、第1期治療前半と後半に分けて、よりきめ細やかな成長のコントロールを行なっています。

第2期治療は永久歯が生え揃う11~12歳頃から〜成人の方を対象とした治療になります。したがって、ワイヤーなどの固定式歯列矯正装置を使った成人の患者様に行う治療とほぼ同じ治療方針、治療方法になります。

主に、第1期治療にあたる顎の成長を促進したり、抑制したりする治療が小児期の矯正治療の特徴と言えます。

さらに当医院では歯並びが悪くなった原因として考えられる後天的な要因の除去にも対応しています。正常な成長発育妨げてきた口腔習癖、舌や口唇の癖、呼吸の仕方、生活習慣など、原因に対するアプローチは装置を使った治療よりも根気が必要ですが、正常な口腔機能はその後の成長発育をよりよくし、治療後の後戻りのリスクも減らします。

何より、小児期に正常な口腔機能を獲得しておくことは、生涯、自身の口で美味しく食べたり、飲んだり、楽しく会話をしたり、健康な呼吸機能の獲得など、生活の質の向上に寄与します。

当医院の小児期に行う矯正治療の大きな特徴は、この様に正常な機能と形態の両方を携えて永久歯列となる様に双方へのアプローチを行なっていることです。

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当医院における小児期に行う矯正治療の特徴

5つの基本方針

1) 成長発育を最大限に利用して

2) 正常な成長を妨げる機能的要因を可及的に取り除き

3) お痛みの少ない

4) 目立たない装置で

5) 永久歯の抜歯をなるべく避けられるように

という5つのコンセプトを目標として治療に努めています。

1)成長発育を最大限に利用する治療

お子様の心と体の成長をみつめて小児期から行う矯正治療の最大のメリットは成長の力を利用して歯列弓の拡大や顎骨の成長を促し、理想的な顎顔面形態に誘導できることです。

成長の過程で、顎顔面歯列の幅、深さ、高さ、それぞれの大きさが、環境的な要因により本来の成長に至っていないために不正咬合となっている場合は、その原因を取り除きながら治療することで、最小限の介入でその後の成長発育そのものを正常な方向に軌道修正することが可能です。お子様の本来の成長する力を引き出す治療ともいえます。

矯正治療をお子様が受けている期間は心も体も著しく変化する時期なので、お子様の年齢、性格を考慮しながら治療が円滑に行えるようサポート体制をとっております。

2)正常な成長を妨げる機能的要因を可及的に取り除く治療

不正咬合のある子供たちの多くが呼吸、舌や口唇の悪い癖、食べ方などの機能的な問題を持っていることは明らかになっています。当医院では呼吸に関しては医科との連携のもとに全身の健康も考慮しながら矯正治療を行なっています。また、舌や口唇の悪い癖、食べ方、飲み込み方の改善ついては開業当初より取り組み続け、確実に治すためのシステムを確立しています。

歯並びが悪くなった原因を考えながら正常な成長発育妨げる要因を取り除くことで、その後の成長発育をよりよくする効果が期待できます。また、口腔機能の改善は美味しく食べる、楽しく会話する、正しい呼吸を行うことにつながり、お子様の生活の質の向上につながります。

3)お痛みが少ないように

小児期から始める矯正治療では通常、最初は取り外し式の装置や固定式の装置でも歯列の内側に沿わせるだけの装置になるのでお痛みはほとんどありません。矯正治療時、お痛みが避けられないのがブラケットを付けて歯を動かす際のワイヤー交換に供う痛みです。

小児期に、より良い状態で並べられる様に土台作りをしてから、ブラケットをつけて歯の移動を行うことで無理な力が必要ない分、お痛みも出にくいです。また、当医院ではブラケットの種類や使用するワイヤーを工夫して従来のものと比べ、お痛みが軽減できるようにしています。

4)なるべく目立たないように

ブラケットを付けた矯正期間がなるべく短くなるように、夜間のみ使用する取り外し装置、歯列の内側に沿わせる固定式の装置などで歯を並べるための土台作りを行い、その後仕上げの治療としてなるべく目立たないよう透明なブラケット、クリアアライナー、またブラケットとクリアアライナーを併用し短期間で目立たず治療を行えるよう努めています。

5)永久歯の抜歯をなるべく避けられるように

成長発育を利用し、お子様の本来の顎の大きさや前後的な位置関係に軌道修正を行うことで、歯を並べるための良い土台作りができます。それによって、永久歯の抜歯をできるだけ避けられるよう努めています。

5大原則を実行するために当院でしていることは

1)患者様、ご家族様との十分なコミュニケーション

矯正治療は時間的にも身体的にも経済的にも負担のかかる治療です。治療を始める前はもちろんですが、途中、ご不安になることもあるかと思います。また患者様と医療スタッフ側との間に治療への認識の差があると思わぬ誤解や勘違いが生じ、モチベーション、協力度の低下から治療効果に支障ることもあります。そういったご不安、ご不満を早期にこちらが気づき、対応することは円滑を治療に進める上ではとても大切です。

当院ではドクターはもちろんですが、担当衛生士がカウンセリング、ブラッシング指導も担当するなど、お話ししやすい環境と時間を設けています。さらに、概ね1年に一度、レントゲンや模型診断を行い、治療経過を客観的にお示し、治療方針、方法について相互理解を深められるようにご説明する機会を設けています。患者様と共通の認識を持って、ゴールに向かって進めるように努めております。

2)患者様を皆で支えるチーム医療

クリニック側で患者様を支えるのは歯科医師だけでなく、歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士、などコデンタルスタッフです。患者様の治療にかかわるスタッフ全員がその患者様がどういう症状で来院されどう治していく、治っていっているかを共通の認識を持って取り組んでいます。

担当衛生士はもちろんですが、歯科助手も受付で患者様のお話を伺い担当歯科医とのコミュニケーションが円滑になるように配慮に努めております。また、担当技工士とは、日頃から情報交換をし、オーダーメイドの装置を丁寧に作成してもらっています。形態の改善だけでなく、個々の癖などの改善も装置に反映させることで、より効果の期待できる装置を作成しております。

3)成長発育を最大限に利用した治療を行うための検査

歯が並ぶための土台の部分である骨が成長する仕組み、歯が動く仕組み、かみ合わせが変化する仕組みには生物学的なルールがあります。生物学的な根拠を無視しては安全に、骨の成長を促したり、上下のかみ合わせの位置関係を変えたり、歯を動かすことはできません。一時的に変化させたとしても、その後の安定が難しくなります。

小児期から行う矯正治療では主に顎骨へアプローチをして、永久歯列期正常咬合を目指します。上下顎骨の大きさや位置関係は骨の成長に左右されます。そして、それぞれ幅、深さ(前後系)、高さの成長量が最大の時期と成長が終わる時期は異なります。それぞれの成長が、環境要因により本来の大きさに至っていないと考えられる場合に、成長を妨げている原因を取り除きながら治療介入することで、正常な成長発育の途に戻し、本来の形態に近づけることは有効かつ行うべきと考えております。

一方、成長が終了、もしくは終了時期に近づくと顎の骨は一般的な矯正治療では大きくすることも、上下顎の位置関係を変えることもできなくなります。成長が期待できない時期であれば、歯を抜く、歯を削って小さくする、歯の傾きを調整するなど代償的な治療を行わざるを得ません。

このようにお子様、お一人、お一人、異なる治療介入の時期、治療目標、治療方法の判断を適切に行うためには、個々の骨格、歯列、歯の特徴、成長段階、成長を阻害する因子の有無などを正確に把握する必要があります。術前の検査をしっかりと行い、治療開始してからも定期的に顎骨の変化が期待する方向に改善しているかどうかを確認し、その情報を患者様と共有しながら治療を進めています。予定していた効果が得られていない場合はその原因を突き止めて、治療計画を再立案するなど、成長と治療により変化し続けているお子様の顎顔面歯列の状態を把握しながら、永久歯列期正常咬合というゴールに向かって、道に迷わず進めるように努めています。

4)生理学的、解剖学的根拠に基づいた治療

永久歯列期になってから行う第二期治療では、ブラケットをつけて歯を移動させて歯列をきれいに整えます。骨の中にある歯を少しずつ適切な位置まで移動させます。歯が移動するのはまず歯によって押されている側の骨が吸収され、歯は歯を覆っている歯根膜という空隙の分だけ移動します。その後、押された方向とは反対のほうへ新しい骨ができます。歯根膜の幅の量だけ動かすことにより、歯にダメージを与えずに安全に動かせる仕組みになっています。

適切な力と、歯を動かすのに必要な十分な時間なくして健全な状態で歯が動くことはありません。ダメージを最小限に抑える弱い力で、少しずつが理想です。強い力をかければ過度の圧力が歯根膜に加わり血流が阻害され歯の根が吸収するという怖い現象が起こります。また、骨のほうは過剰な力に反応し(防御反応として)固くなってしまいます。

さらに歯は動きにくく歯根も吸収しやすくなります。早く動かそうとして新しく骨ができるのを待たずに力を加え続けてもやはり生体はそれについていけずに骨の中の歯根は動かず傾いてしまっているだけになったり、歯根の方が吸収され短くなってしまったりします。早く治療を終えたい一心でワイヤー交換を頻繁に、強い力でなんてことをしたら全ての歯がグラグラになんてことも起こりえます。急がば回れといったところでしょうか?ゆっくりと優しくが、美しい歯並びへの安全かつ最短の道です。

このように歯を安全に効果的に動かすためには、顎骨内を歯が移動する仕組み解剖をよく理解し、顎骨、歯、顎関節にかかる負担を考えながら行う必要があります。これにより、安全に歯を動かせるだけでなく、歯の移動に伴うお痛みも軽減し、効率よく治療を行うことが可能になります。

5)多種多様な矯正装置

お子様の不正咬合の状態は十人十色です。そして、装置に対する適応性力もそれぞれ違います。治療手段としてたくさんの手技や装置の中からの治療目的を果たすために最適でかつ、お子さんが快適に使える装置で治療できるよう、努めています。

大切なお子様の治療です、なるべく違和感の少ない、心地よく使用できるものをご提供するため、装置は既製品は使わず全てお一人、お一人、(オーダー)カスタムメイドでお作りしております。

6)自分の子供にしたくない、できない治療はしない

虫歯などで歯のお痛みが激しい場合などは緊急処置として少ない選択肢からお痛みの除去を優先し手早く処置を行う必要があります。しかし矯正治療においては、治療方法や治療用装置は目的を達成するための手段ですので、いくつかの選択肢をご用意できることもあります。

お子様のご負担はなるべく少なくして、最大の効果を得られるものをご提供できるように日々知識と技術の研鑽に努めております。自分の子供にはしたくないと思うような治療方法や装置は選ばない、それが患者様にとっても私にとっても最良の選択になると信じています。

患者様へのお願い

医療技術は日々進歩しています。技術開発により以前では不可能だったことが簡単にできるようになったりします。近年そのサイクルはとても速くなっていますので、派閥、学閥をこえて学会、研修会、勉強会などに参加し学び続けております。国内はもちろんですが国外からもよいと思われる術式や装置はとりいれ、必要があれば改良して患者様にご提供しています。そのため不定期でお休みをいただくこともございますが患者様に還元できるものと信じて日々精進しております。ご理解いただければ幸いです。


お子様の歯並びが気になったら、いつでもお気軽にご連絡下さい。


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