よくある質問
お子様の矯正で、よく頂く23の質問について詳しく解説させていただきます。
よくある質問
1. いつごろから始めたらよいのでしょうか?
装置を使用する、しないは別として、気になった時点で早めにご相談ください。
当医院では実際に装置を使っての咬合誘導は6〜7歳以降を目安とさせていただいておりますが、必要があればそれ以前に治療を開始する場合もあります。また、お口の機能が十分に発達していないために、歯並びに悪い影響を与えていると考えられる場合は、お口の機能を育てる訓練をご紹介する事もあります。
お口の機能は哺乳、離乳期で劇的に発達します。
良い歯並びを作る準備は0歳からスタートしているとも言えます。
お気軽にご相談ください。
2. 親は気になるのに本人は気にならないと言っています、治療すべきでしょうか?
不正咬合の状態にもよりますが、ご本人が希望していない場合、小児期からの長い治療期間をがんばり通すのは大変かと思います。小児期から始める場合と大人になってから始める場合の治療方法の違いなどをご説明しますので、ご本人がご自身の歯並びと向き合って、治療をしたいという気持ちになってから治療を始めることをお勧めします。
年齢によって治療方法は異なってきますが、治療自体は何歳からでも始められます。
3. 上の前歯の間があいてしまっています。矯正治療は必要ですか?
乳歯から永久歯に萌え換わる初めの時期(上の前歯が4本生える頃)は歯並びが汚く見えることがあります。真ん中の前歯の間は隙間があって"八"の字型に広がって生えてくることが多いです。 ほかの不正咬合と合併していなければ犬歯が生えると自然に隙間が閉じます。
歯肉と唇をつなぐスジ(靭帯)が歯と歯の間に入り込んでいて隙間が閉じない場合もありますので、その際は靭帯の切除を行います。
治療が必要かどうかは歯科医院で確認した方が良いでしょう。
4.3歳児検診で歯茎と上唇をつなぐスジを切らないと歯並びが悪くなるといわれました。どうしたらいいでしょう?
上唇と歯茎をつなぐスジはお口をよく動かすこと、具体的にはよく食べ、たくさんお話をしたり、笑ったり、歯磨きをしっかりすることで、通常、成長と共に退縮します。
真ん中の前歯の歯と歯の間に硬いスジが入り込んでいる場合は将来的に正中離開を起こす可能性はありますが、3歳で外科処置は当医院ではお勧めしていません。まず、唇のストレッチなどを行いながら経過をみます。
小学校入学頃に、真ん中の大人の歯が萌えてきます。そのころまだ唇からのスジが歯と歯の間にしっかりと入り込んでいるようであればいずれは切除する可能性が高くなります。永久犬歯が萌出する小学校中学年くらいまでには切除し、前歯と歯が閉じやすくなる環境づくりをすることをお勧めします。
5. 矯正しても、受け口は治らないといわれました。本当ですか?
小児期に矯正することで簡単に改善してしまうケース、矯正しても難しいケースがあるのは本当です。
ご家族に受け口の方が多くいらっしゃるなど、遺伝的な要素の強い場合、小児期に治療をしても思春期の身長が伸びる頃に下顎も成長し、再び噛み合わせが反対になることが多いです。
成長期を利用して顎の成長をコントロールすることによって、重篤化の予防の一助とはなりますが、治療が長期にわたるデメリットもございます。
しかし、後天的な要因による受け口であれば早期の治療が望ましいです。受け口の原因によって、異なりますので、まずは気になった時点でご相談ください。
6. 矯正は子供のうちからと言う人と、歯が萌えそろうまで待ってから矯正をした方が期間が短くて済むと言う人といろいろな意見があってよくわかりません。どっちが本当ですか?
どちらも本当です。
成長発育を利用して子供のころから矯正すると治療期間は長くなる一方、そのお子さん本来の顎の形や位置に成長を誘導し、その結果永久歯を抜かずに済むなどのメリットがあります。一方、永久歯が全部萌えそろってから矯正をした場合、顎の大きさや位置関係によっては抜歯を伴うことが多くなりますが、ブラケットをつけて歯を移動する本格矯正のみになるので、時間的には予測もしやすく短くもなります。
しかし、どちらの治療方法が、それぞれのお子さんにあっているかは、年齢や不正咬合の状態によって異なりますので精密検査をした上で、ご説明しております。
7. 母乳で育てた方が歯並びが悪くならないというのは本当ですか?
必ずしも母乳で育たなかったお子様が歯並びが悪くなるわけではありませんし、母乳で育てさえすれば歯並びが良くなるというものでもありません。赤ちゃんがしっかりと母乳を飲めるような乳首の咥え方や抱っこの仕方は大切ですが、母乳で育てられないお母さんのために、口腔機能を育めるように設計された二プルもあります。
母乳育児と歯並びを結びつける根拠は今のところありません。
8. 乳歯を早く失うと歯並びは悪くなってしまうのですか?
その可能性は高いです。
特に乳歯の奥歯を早期に失うことによって6歳臼歯というかみ合わせを決定する大切な永久歯が前方に傾いて萌えてしまったり、位置そのものが前方にずれて萌えてしまったりします。その結果、そのあとにはえてくる永久歯も本来の位置に並ぶことができずにずれた状態に並ぶことになります。
また、多数の乳臼歯を失うことによって顎の骨に噛む力が伝わらず、骨の発育にも影響を及ぼしかねません。乳歯はどうせ抜け換わるからと言って、乳歯の虫歯を放置するのは大変危険です。
9. 萌えてきた大人の前歯がうまく並んでいません。隣の乳歯を早く抜けばきれいに並びますか?
前歯部がうまく並ばないということは、歯と顎の骨の大きさのアンバランスがあってのことと思います。
どちらが原因なのかは患者様によって異なるのですが、いずれにせよ、隣の乳歯を抜いてしまってもその下からはまた大人の歯が萌えてきます。その歯の行き場がなければまたそこでデコボコができるので根本的な解決にはならないでしょう。
10. ほかの歯はきれいに並んでいるのに、犬歯が八重歯になりそうです。抜いてしまってもいいですか?
犬歯は長く安定したかみ合わせのためには必要不可欠と言われているとても重要な歯です。よほどのことがない限りは抜くことはまずありません。犬歯が並ぶスペースがないときは可能であれば歯列の横幅を広げて、スペースを作るか、隣の小さな奥歯を抜いてスペースを作るなどして犬歯は抜かずに歯を並べるようにします。
11. スポーツや体育の授業に矯正装置は影響しませんか?
大丈夫です。
当医院ではお子様の治療はおもに夜間のみ使用していただく取り外し式の装置、もしくは歯列の内側につける装置で治療を行なっているので問題ありません。
歯の表面にブラケットをつけた治療が必要な場合は、お口の内側の粘膜を傷つけないようなカバーできるものもお渡ししていますので、通常のスポーツや体育の授業では問題ありません。
必要に応じて、スポーツ外傷予防のためのマウスガードの作成も対応いたします。
12. 楽器の演奏に影響はありますか?
大丈夫です。
いろいろな装置の種類があるので、取り外し式のものにしたり、装置の設計を工夫したりします。装置の変更が難しい場合でも、通常、演奏に差し障らない程度には慣れていただけます。お気軽にご相談ください。
13. 水泳はしても大丈夫ですか?
全く問題ありません。
14. 歯磨きが心配です。矯正装置をしている時の歯磨きは自分でできるものでしょうか?
もちろん歯磨きや装置のお手入れはご自身でしていただきます。
装置に合わせて専用の歯ブラシは無償でご提供し、歯科衛生士が毎回歯磨きのチェックを行い、苦手な部分の磨き方をご指導し、サポートしております。矯正治療が終了したとき歯も歯並びもきれいにが、大前提です。しかし、毎日のお手入れを行うのはご本人です。
ご自身のお手入れがしっかりとできないと虫歯になってしまうことはあります。自身の健康は自身で守るという、気持ちも矯正治療中に育んでいきたいことの一つです。
15. 使用する装置は痛みや違和感はありますか?しゃべりにくかったり、食べにくかったりしますか?
小児期からの矯正治療に使用する装置は、取り外しのものが多いのでお食事時ははずしていただきます。違和感は多少ありますが痛みはまずありません。固定式の装置も多くは歯列の内側に沿わせるようなシンプルなものなのでまず問題なく使っていただけています。
稀に、大きめの装置を必要とする場合がありますが、術前にお口の訓練を行なって大きな装置が入ってもお食事に影響なように準備をしてから装置をセットしております。
16. 後戻りって何ですか?
歯や顎は動かした後、元の位置に戻ろうとします。
装置を外した後はや歯を支えている歯肉、歯槽骨が新しい位置で安定するまでそれらを動かした期間と同じくらいが必要と言われています。後戻りを防止するために保定装置というものを使って安定するまで待ちます。矯正治療で得られたきれいな歯並びとかみ合わせを長く安定させるためには必須ですので保定はしっかりしていきましょう。
※取り外し式の保定装置2例
17. いつまで後戻り防止の装置は必要ですか?
一般的には歯を動かしたのと同じくらいの期間と言われています。
しかし、矯正治療の有無に関わらず、歯は一生動き続けます。矯正治療終了時と全く同じ状態を保ちたければ一生、保定装置を使い続けるしかありません。加齢に伴う歯の移動をどれくらい許容できるかで、保定装置の使用の継続を患者様の方で、考えていただければと思います。
18. 矯正した歯は一生きれいなままですか?
矯正治療をした、しないにかかわらず、歯は一生動き続けます。親知らずの萌出によって手前の歯並びが乱れることもあります。また、舌の癖、お口を開けている癖、つめや、唇をかむ癖、頬づえなどの日常生活での癖によっても歯列不正が引き起こされます。歯列不正が引き起こされそうなサインを発見するためにも治療終了後の定期健診はお勧めです。
19. 治療途中でやめたくなった時、転勤で通院できなくなった時はどうすればよいでしょう?
まず、やめたい気持ちにならないようにすることが大切ですね。
お子様が途中でやめたくならないように皆でサポートしてまいります。当医院ではお子様ご自身にも治療がどのように進んでいるか、どういう仕組みで治っているかなどお話ししながら進めておりますので、興味を持って治療に参加してくださっているように思います。特別な事情があって中断しなければいけないときは、動かした歯が悪い方向へ動かないように設計した装置を入れて経過を観察し、再開を待つようにしています。途半端な状態で終えてしまうのだけは避けたいです。
転勤で遠くへとなると3~4週ごとのご通院は難しいかもしれません。可能であれば調整間隔を長めにできる装置に変えて続行するのが理想的です。小児期の矯正治療は術者によってさまざまな考え方があるのでできれば同じ治療方針のもとで治療を完了したく思います。
どうしてもの場合は、全国にネットワークは広がっておりますので、治療方針が大きく違わない、信頼できる矯正医をご紹介するようになります。
20. 取り外し式の装置を壊してしまったり、紛失してしまったら費用はかかりますか?
はい、残念ながら装置代は実費でいただくようになります。
装置の管理には十分気をつけて大切にしてください。
21. 矯正装置はお口の中に長く入れていても安全なのでしょうか?
矯正装置に限らず、歯科で使用する材料は安全基準を満たしているものなのでまずご心配はいりません。
近年、アレルギーの患者様が増えてきているためまれに金属の使用が限られたり、プラスチックが使用できなかったりという報告も聞きます。その際は使用できるものに換えて治療を行なっております。
22. かぶせものをしてある歯、神経の処置をしてある歯は動きますか?
歯そのものが健康であればかぶせものがしてあっても、神経の処置をしていても動きます。
しかし、歯根の先が膿んでいたり、外傷を負った歯(強くぶつけてぐらついたことがある歯)などは歯根と骨が癒着してしまっていて動かないことがあります。お子様の場合、神経の処置をしてあることは少ないのですが外傷歯は意外に多いので問診の際お伝えください。
23. 矯正治療中にもし虫歯になってしまったら?
当医院でも治療可能ですが、ご近所にかかりつけ歯科医さんがいる場合はそちらでの治療をお勧めします。
当医院以外での治療の際は、必要に応じて装置を外したり、装置の変更の必要性も生じるかと思いますので担当の先生と連絡を取り合った上、進めていただきたいと思います。